大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和30(あ)497 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

被告人の上告趣意は、寛大なお裁を願うというだけで、刑訴四〇五条の事由に当

らないので適法な上告理由とならない。

弁護人中川真太郎の上告趣意は、被告人の自白のみで強姦の事実を認定した第一

審判決を支持した原判決は、憲法三八条三項に違反すると共に事実を誤認したもの

であるというに帰する。しかしながら、第一審判決は被告人の自白のほかに多くの

証拠を挙示しているのであつて、これらの証拠は自白と相まつて所論の事実を認定

し得る情況証拠であるから、第一審判決は被告人の自白を唯一の証拠として有罪と

したものではない。それ故、違憲の主張は前提を欠き採用できない。また、事実誤

認の主張は刑訴四〇五条の事由に当らないので上告の理由とならない。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決す

る。

昭和三〇年六月二八日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

裁判官 垂 水 克 己

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